覚せい剤取締法


覚せい剤取締法
(昭和二十六年六月三十日法律第二百五十二号)


最終改正:平成一四年七月三一日法律第一〇〇号


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 指定及び届出(第三条―第十二条)
 第三章 禁止及び制限(第十三条―第二十条の二)
 第四章 取扱(第二十一条―第二十七条)
 第五章 業務に関する記録及び報告(第二十八条―第三十条)
 第五章の二 覚せい剤原料に関する指定及び届出、制限及び禁止並びに取扱(第三十条の二―第三
十条の十七)
 第六章 監督(第三十一条―第三十四条)
 第七章 雑則(第三十四条の二―第四十条の四)
 第八章 罰則(第四十一条―第四十四条)
 附則

   第一章 総則


(この法律の目的)
第一条  この法律は、覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せ
い剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締を行うことを目的とす
る。

(用語の意義)
第二条  この法律で「覚せい剤」とは、左に掲げる物をいう。
一  フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
二  前号に掲げる物と同種の覚せい作用を有する物であつて政令で指定するもの
三  前二号に掲げる物のいずれかを含有する物
2  この法律で「覚せい剤製造業者」とは、覚せい剤を製造すること(覚せい剤を精製すること、
覚せい剤に化学的変化を加え、又は加えないで他の覚せい剤にすること、及び覚せい剤を分割して容
器に収めることを含む。ただし、調剤を除く。以下同じ。)、及びその製造した覚せい剤を覚せい剤
施用機関又は覚せい剤研究者に譲り渡すことを業とすることができるものとして、この法律の規定に
より指定を受けた者をいう。
3  この法律で「覚せい剤施用機関」とは、覚せい剤の施用を行うことができるものとして、この
法律の規定により指定を受けた病院又は診療所をいう。
4  この法律で「覚せい剤研究者」とは、学術研究のため、覚せい剤を使用することができ、また
、厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り覚せい剤を製造することができるものとして、この法律の
規定により指定を受けた者をいう。
5  この法律で「覚せい剤原料」とは、別表に掲げる物をいう。
6  この法律で「覚せい剤原料輸入業者」とは、覚せい剤原料を輸入することを業とすることがで
き、又は業務のため覚せい剤原料を輸入することができるものとして、この法律の規定により指定を
受けた者をいう。
7  この法律で「覚せい剤原料輸出業者」とは、覚せい剤原料を輸出することを業とすることがで
きるものとして、この法律の規定により指定を受けた者をいう。
8  この法律で「覚せい剤原料製造業者」とは、覚せい剤原料を製造すること(覚せい剤原料を精
製すること、覚せい剤原料に化学的変化を加え、又は加えないで他の覚せい剤原料にすること、及び
覚せい剤原料を分割して容器に収めることを含む。ただし、調剤を除く。)を業とすることができ、
又は業務のため覚せい剤原料を製造すること(覚せい剤原料を精製すること、覚せい剤原料に化学的
変化を加え、又は加えないで他の覚せい剤原料にすること、及び覚せい剤原料を分割して容器に収め
ることを含む。ただし、調剤を除く。)ができるものとして、この法律の規定により指定を受けた者
をいう。
9  この法律で「覚せい剤原料取扱者」とは、覚せい剤原料を譲り渡すことを業とすることができ
、又は業務のため覚せい剤原料を使用することができるものとして、この法律の規定により指定を受
けた者をいう。
10  この法律で「覚せい剤原料研究者」とは、学術研究のため、覚せい剤原料を製造することが
でき、又は使用することができるものとして、この法律の規定により指定を受けた者をいう。
   第二章 指定及び届出


(指定の要件)
第三条  覚せい剤製造業者の指定は製造所ごとに厚生労働大臣が、覚せい剤施用機関又は覚せい剤
研究者の指定は病院若しくは診療所又は研究所ごとにその所在地の都道府県知事が、次に掲げる資格
を有するもののうち適当と認めるものについて行う。
一  覚せい剤製造業者については、薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条第一項 (
医薬品の製造販売業の許可)の規定による医薬品の製造販売業の許可及び同法第十三条第一項 (医
薬品の製造業の許可)の規定による医薬品の製造業の許可を受けている者(以下「医薬品製造販売業
者等」という。)
二  覚せい剤施用機関については、精神病院その他診療上覚せい剤の施用を必要とする病院又は診
療所
三  覚せい剤研究者については、覚せい剤に関し相当の知識を持ち、かつ、研究上覚せい剤の使用
を必要とする者
2  覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者の指定に関する基準は、厚生労働省令で定める。

(指定の申請手続)
第四条  覚せい剤製造業者の指定を受けようとする者は、製造所ごとに、その製造所の所在地の都
道府県知事を経て厚生労働大臣に申請書を出さなければならない。
2  覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者の指定を受けようとする者は、病院若しくは診療所又は
研究所ごとに、その所在地の都道府県知事に申請書を出さなければならない。

(指定証)
第五条  覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者の指定をしたときは、厚生労働
大臣は当該製造業者に対して、都道府県知事は当該施用機関の開設者又は当該研究者に対して、それ
ぞれ指定証を交付しなければならない。
2  覚せい剤製造業者に対する指定証の交付は、その製造所の所在地の都道府県知事を経て行うも
のとする。
3  指定証は、譲り渡し、又は貸与してはならない。

(指定の有効期間)
第六条  覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者の指定の有効期間は、指定の日
からその翌年の十二月三十一日までとする。

(指定の失効)
第七条  覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者について、指定の有効期間が満
了したとき及び指定の取消があつたときの外、第九条(業務の廃止等の届出)に規定する事由が生じ
たときは、指定はその効力を失う。

(指定の取消し及び業務等の停止)
第八条  覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の開設者、覚せい剤施用機関の管理者(医療法 (昭
和二十三年法律第二百五号)の規定による当該病院又は診療所の管理者をいう。以下同じ。)、覚せ
い剤施用機関において診療に従事する医師若しくは覚せい剤研究者がこの法律の規定、この法律の規
定に基づく処分若しくは指定若しくは許可に付した条件に違反したとき、又は覚せい剤研究者につい
て第三条第一項(指定の要件)第三号に掲げる資格がなくなつたときは、厚生労働大臣は覚せい剤製
造業者について、都道府県知事は覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者について、それぞれその指定
を取り消し、又は期間を定めて、覚せい剤製造業者若しくは覚せい剤研究者の覚せい剤及び覚せい剤
原料に関する業務若しくは研究の停止を命ずることができる。
2  前項の規定による処分に係る行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十五条第一項 又は第
三十条 の通知は、聴聞の期日又は弁明を記載した書面の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を
行う場合には、その日時)の二週間前までにしなければならない。

(業務の廃止等の届出)
第九条  覚せい剤製造業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その事由の生じた日から
十五日以内に、その製造所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に指定証を添えてその旨を届
け出なければならな