7キロの覚せい剤密輸、女性に無罪判決

化粧品のマスカラに覚せい剤を隠して密輸したとして、覚せい剤取締法違反と関税法違反の罪に問われた米国籍の女性(48)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁(伊藤寿裁判長)は26日、「違法薬物の認識があったと認定するには合理的な疑いが残る」として、無罪(求刑懲役10年、罰金500万円)を言い渡した。過去話題となった書籍(覚せい剤で16回逮捕された男の実話とその弁護士)の内容にも酷似する部分があるが詳細は不明。起訴状によれば、アメリカ国籍の女性は、去年10月、覚醒剤約7キロが入ったマスカラを詰めたスーツケースを、関西空港に密輸入した罪などに問われてた。裁判で女性の弁護側は「知人に頼まれ、知らない間に運び屋にされていた。違法薬物という認識はなかった」と無罪を主張。一方、検察は「知人の依頼はあまりに不審で、女性は、違法薬物が入っている可能性を認識していた」と指摘。26日の判決で、大阪地裁は「マスカラに違法薬物が入っているかもしれないと女性が認識していたとは言えない」とした。

2018年10月27日